【読書記録】本日は、お日柄もよく / 原田マハ
最近良く読んでいる作家さんは?と聞かれたら原田マハさんか森博嗣さんだと思います。
ですが、私は原田マハさんのアート小説ばかり読み漁っていたので、アート小説以外の作品が読みたくて『本日は、お日柄もよく』を手に取りました。
簡単な感想はこんなかんじ
#読了 本日は、お日柄もよく
— たむ (@tamsan0_0) 2023年7月6日
読みおわると、心があたたかくなる小説でした。何度も何度も泣きそうになっていたら、最後の最後で泣いてしまいました.......泣ける小説はやはりいいですね😌 pic.twitter.com/g9139B8uIN
こちらのブログには思ったことをつらつらと書いていきたいと思います。
まず、本に記載されているあらすじはこちら
OL二ノ宮こと葉は、想いを馳せていた幼なじみ厚志の結婚式に最悪の気分で出席していた。ところがその結婚式で涙が溢れるほど感動する衝撃的なスピーチに出会う。それは伝説のスピーチライター久遠久美の祝辞だった。空気を一変させる言葉に魅せられてしまったこと葉はすぐに弟子入り。久美の教えを受け、「政権交代」を叫ぶ野党のスピーチライターに抜擢された! 目頭が熱くなるお仕事小説。
私ははじめ、「まあなんとなく結婚式のスピーチの話なのかな」と思っていたのですが、読み進めてびっくり!めちゃめちゃ政治やら選挙やらのお仕事小説......!そちらの方面に知識の全くない現代の若者代表な私は内心「どうしよ〜〜〜話が全然わからないかも、、、」とだいぶ戸惑いました(笑)
しかし、そんな不安もすぐに消えてしまうほど登場人物たちが魅力的で、このひとたち、どうなるの!?とページをめくる手が止まりませんでした。登場人物たちがみんな、とてもまっすぐなんです。周りの人への思いやりも忘れずに、でもまっすぐに自分の目標に向かって突き進んでいく姿が、思わず応援したくなってしまいます。
そして、作中には何度も素晴らしいスピーチが登場します。場面も様々で、結婚式、葬式、選挙演説に国会での代表質問などなど、どれも感動的なスピーチでスピーチを読んでいるときはいつもグッときていました。心を掴まれるスピーチとはこういうことか、皆が聞き入ってしまうスピーチとはこれか、とスピーチによっても小説の世界に引き込まれていった気がします。
こちらの小説を読んだ人のほとんど、もしかしたら全員の心に残ったであろう言葉がありました。
困難に向かい合ったとき、もうだめだ、と思ったとき、想像してみるといい。三時間後の君、涙が止まっている。二十四時間後の君、涙は乾いている。二日後の君、顔を上げている。三日後の君、歩き出している。
わたしも心に残った人たちのうちのひとりです。
困難を乗り越えたその先のスピーチは本当に心を掴まれました。でも困難を乗り越える、というのは誰にでもできることではないと思います。
私は、困難に向かい合うと放棄しかけてしまったり、なるべく困難に当たらないように生きてしまうタイプの人間です。まだまだ大学生なのでそれでも生きてこれましたが、社会に出るとそうはいかない場面も多く出てくると思います。そんなときに思い出して前を向けるような言葉に、この本を読んで出会えました。
この本を読んで、言葉の力は本当に強いと改めて感じることができました。しかし、それと同時に「言葉の力」を最大限発揮し、相手に伝えるためには、相当な技術も必要だなと感じました。適切な語彙、話し方、文の組み立て方などこういったものひとつひとつを大事にしていくことで、相手の心に自分の思いを訴えることができるのだなと学びました。
自分にはまだまだ備わっていない技術たちですが、このことを今知ることができたのはとても嬉しいです。本を読んだりすることはもちろんですが、まずは相手の話をよく聞くところからスタートしていきたいと思います。
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